Yui
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未来について話すとき、どのような英語表現がすぐに思い浮かびますか?
中学校で「〜する予定だ」などと習ったはずの「will」ですが、「文中での使い方に自信がない」と悩む学習者の方は多いのではないでしょうか。
英会話において、「今からすることについて話す」「週末の予定について話す」「将来の夢について話す」など、直近の未来から遠い先の未来まで、どのように will を使って表現できるのか、意味やニュアンスを掴みながら一緒におさらいしましょう!
そもそも will はどういう意味で、どのように使えばいいのでしょうか?
「will=未来形」と考えている方も多いかもしれません。動詞には、「現在形」「過去形」「過去分詞形」がありますよね。同様に「未来形」があると思っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、実は動詞に未来形という活用はなく、実際には、助動詞「will」を使って未来を表す表現をしているだけなのです。
will の品詞は「助動詞」、つまり、動詞の前に来て、動詞を助ける役割を持つことばです。この will を使った基本的な文の形を見てみましょう。
現在形だと「雨が降る」は It rains となるのですが、助動詞 will の後ろでは、動詞は rain と原形になることにも注目です。
「明日は雨が降るでしょう」
「明日は雨が降らないでしょう」
→will not = won’t
「明日は雨が降るでしょうか?」
「未来」とひとことに言っても、「〜でしょう」「〜するつもり」「〜します」など、いろいろな意味や訳があり、混乱するかもしれません。本質的な意味(コアイメージ)を覚えて、will を使えるようにしましょう!
まず、will は名詞として使われると、「意志」という意味を持ちます。
「意志あるところに道あり」(ことわざ)
そのため、助動詞としての will も、「意志のある未来」を意味します。
たとえば、あなたは仲のいい女友達にプレゼントをしようと思います。甘いものが好きな彼女には、チョコレートが喜ばれそうだとあなたは考えました。
「彼女にチョコレートを贈ろう」
このときの will は、自分の意志でチョコレートを贈ると決めています。
また、プロポーズのセリフとしてよく知られている:
「結婚してくれますか?」
こちらも相手の意志を確認しているので will を使います。
Can you marry me?(私と結婚することは可能ですか?)という質問とは大きく意味が変わりますね。
未来の英語表現には will の他に「be going to」があります。では、will と be going to はどう使い分けるのでしょうか?
be going to は「すでに決定していること」を表現します。
「私は金曜日にジョンに会う予定です」
先ほどの Will you marry me?(結婚してくれますか?)は、結婚したいかどうかの意志を尋ねていますが、Are you going to marry me? と聞くと、「結婚してくれる予定ですか?」と、相手の予定を聞くような質問になり、意味が変わっていまいます。
「結婚してくれる予定ですか?」
また一方で、will はその場で決めた決断について言うときに使われます。
たとえば電話が鳴ったときは:
「私が出ますね」
電話が鳴ったという状況によって、その場で「電話に出よう」ということを決めました。
このように、予定していなかったことをするときには、will を使います。
では、未来を表す英語は will と be going to だけなのでしょうか?
…実はこんなケースもあるんです!
「その電車は7時に出発します」
「明日は日曜日です」
これらは、現在形を使っていますが、まだ起きていない出来事を表します。
時刻表に載っていることのように確定事項を話すときや、客観的な事実であれば、未来のことでも現在形で表現するのが一般的です。
「私たちは明日の朝ロンドンに到着しますよ」
「今行くよ!」
このように、すでに決定していること、その物事が進んでいる状態の事柄に関しては、現在進行形を使うことができます。
往来発着(go/come/leave/arrive など)の動詞は、このように現在形や現在進行形を使って未来を表現することが可能です。
「月曜日の朝にお医者さんに診てもらうよ」
往来発着以外でも、上記のように決定されたできごとについては、同様に未来を表すことができますよ。
未来を表す will には、次のような使い方があります。「意志のある未来」というコアイメージと結びつけて覚えましょう。
「がんばるぞ!」
強い意志を持っていることがわかりますね。
「彼女はあなたには教えないよ。彼女だけの秘密のレシピなんだ」
こちらも、「教えたくない」という彼女の意志が感じられます。
また、申し出や約束も意志や決断を伴うため、will を使うことができます。
「また戻ってくると約束するよ」
映画「ターミネーター」で有名なセリフですね。
これは、「戻ってくるだろう」という弱気な気持ちではなく、「必ず戻ってくる」という気持ちが込められています。
「疲れているようですね。お手伝いしますよ」
相手に「〜しますよ」と申し出るときにも、I’ll (I will) 〜. と言います。自分の意志でお手伝いすることを伝えています。
「彼らが試合に勝つと思うよ」
まだ起こっていないので、「〜だろう」と推測するときにも will は使われます。
主観的に「きっとそうだろう」と確信していることに対して使われるのがポイントです。
「今週末は確実に/おそらく雨が降るだろう」
強く確信しているときには definitely(確実に)、確信が持てないときには probably(おそらく)などの副詞を一緒に使うことで、どれくらい確信しているかを伝えることができます。
「来週、両親が会いに来ます」
「ミアと買い物にいくつもりだ」
「〜つもり」のように、未来の予定について話すときにも will は使われます。
「スーパーに連れて行ってくれますか?」
「窓を開けてくれる? とても暑くて」
Will you 〜? は人に依頼をする英語表現です。please をつけると、より丁寧な言い方になります。
「彼女は私の言うことを聞こうとしない」
強い意志を持って拒絶しているイメージです。
「パソコンが立ち上がらない! どうしたらいい?」
「拒絶」と言いますが、人にもモノにも使うことができます。
上記の例では、まるで意志を持っているかのように、パソコンが動かない様子をイメージしてみてください。
いかがでしたか?
「will=未来」と覚えてしまうと、ほかにも「依頼」や「拒絶(否定文で)」などのニュアンスを持っていることを見落としてしまいます。
しかし、will=「意志」というコアイメージを頭に置くと、さまざまな使い方にも応用できるでしょう。
いろいろなシチュエーションで使う練習をしてみてくださいね。